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toe「HEAR YOU」リリースインタビュー

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日本屈指のインストゥルメンタルバンドtoe。5年半ぶりとなる待望の新作アルバム「HEAR YOU」について、ギターの山嵜氏にお話を伺いました。
[取材場所]:JAZZY SPORT music shop
[撮影協力]:石川駿人

Official Websitehttp://www.toe.st

toe(トー)

メンバー:山嵜廣和、美濃隆章、山根敏史、柏倉隆史

2000年結成、日本を代表するインストゥルメンタルバンド。独創的なリズムアプローチやエモーショナルを含めた楽曲で海外からの支持も厚い。楽器のみのインストだけでなく、ゲストボーカルを迎えた楽曲など幅広い表現方法を駆使している。

  
  

音色とか音像も曲の一部になる

前作アルバム(「For Long Tomorrow」)から5年半、数字だけで見ると長い期間という印象がありますが。


山嵜

いつも、やんなきゃやんなきゃって言ってるんですけどね。作品はずっと出したいんですけど、あんまりちゃんとやらないから進まないだけです(笑)


ゲストの方々が多数参加されていますが、今回の人選については?


山嵜

基準とかは特にないんですけど、やってもらいたいなーと思っていた人かつ繋がりがあって頼めた人、というか。それで出来た感じですね。


楽曲は基本インストゥルメンタルですが、声、ボーカルを入れる楽曲はどういう判断で作られているのでしょうか。


山嵜

作る時に「せーの」でバンドで作らないんで。最初から「こんな感じの歌を入れたいな」っていうイメージがあって作り始めるんですよね。元の曲があって歌をつけるというより、そっちが先ですね。


歌ありきで?


山嵜

歌ありきというよりか、“歌を入れる用の曲”を作りたいなと。


歌のある曲でもワンフレーズだけだったり、Charaさんとの曲(M-3.「Commit Ballad feat.Chara」)は、一曲全体を通して歌が入っていたりして、その違いにはどういう意識があるのでしょうか。


山嵜

ちゃんと長い歌は、“ボーカルが入ってる曲”っていう感覚で作ってるんですけど、ちょいちょい出てくるフックだけ歌ってるっていうのは、どっちかというと楽器のチョイスというか。「ここに鉄琴の音を入れたいな」とかあるじゃん? そういう感じ(笑) それが歌っていう。


楽器的な感覚で取り入れているという。


山嵜

そうですね。そういう感覚で。


ラッパーの5lackさんが参加している(M-8.「Time Goes feat.5lack」)のもトピックですね。曲もビートが無かったりして。


山嵜

俺がsick team(5lackが所属するヒップホップグループ)の大ファンで。前に一回やってもらったり(EP「The Future Is Now」のアナログ盤にsick teamによるRemixを収録)、ライブも一緒にやったりとか。何かしら入れて欲しいなと思って言ったら「いいよー」って感じで。長い曲というより、途中で雰囲気を変える感じにしたいなと。うちらはバンドだから基本的に曲にはドラムが入ってるし、ヒップホップもビートありきだと思うんだけど、この曲はあえてビートがない曲にしてラップが乗ったら面白いんじゃないかなと。


そこから次の曲(M-9.「オトトタイミングキミト feat. Kimura Kaela」)に繋がっていて。


山嵜

そうなんですよ。この二曲はベースラインが一緒なんです。5lackの曲は俺主体で作って。木村カエラちゃんとの曲は、ベーシックが同じトラックを柏倉くんがエディットして作ったんですよね。だから基本的なベースラインが一緒っていう。


一曲が二曲になったという。


山嵜

そうそう、得した感じ。 …俺らがね(笑)「やった!一曲増えた!」みたいな(笑)


一同

(笑)



M-10.「G.O.O.D L.U.C.K feat.U-zhaan / Kumi Maya Ayaya」についてですが、前作アルバムから通ずるアフロビートやアフリカンなニュアンスを感じていて。そこは意識的な部分はありますか?


山嵜

意識っていうか、曲ごとに「こういう曲にしたい」っていうテーマとか着地点を決めてやってるので。あれは元々CMで頼まれた短い曲に、U-zhaanを呼んで一緒にやったのが一応ベーシックであって。それを膨らまして曲にして、という感じで。まぁリズムに関しては、誰か一人がポリリズムになってないと気持ち悪くなってきちゃうっていうのがあって(笑) 例えば8小節で次のコード進行になって、はいまた戻りました、みたいなのが嫌で(笑) ああいう打楽器ってポリってるから、そういう面白いノリがあるのかもしれない。


今回、電子ドラムが導入されていたり、楽器面でも新しいアプローチがありますね。


山嵜

電子ドラムは、やってそうでやってなかったんですよね。曲のデモは打ち込みで作ってるんで、デモ段階の音と生ドラムだとけっこう雰囲気が変わっちゃうから、どうしようかなと思って、で、入れてみようと。でも生ドラムの音も混じってるんです。半々ぐらいで重なってるんですよ。


そうなんですね。


山嵜

バンドを始めたての頃は展開が面白いものというか、ゴロンゴロンと曲が変わっていくのが好きだったんですけど、おじさんになってくるとそういうのが面倒くさくなってきて(笑) で、どっちかというと同じフレーズをループみたいなもので、単純なんだけどポリリズムが入っていて変な感じとか。そういうものにプラス、音色とか音像も曲の一部になる割合が多くなるじゃないですか。短くて曲の展開だけ見せていくものと違って。ドラムも最初のほうの曲(M-2.「A Desert of Human」)はツインドラムだったりして。


音源だとそういった楽器のダビングが多くされていたりして、ライブでの演奏とはまた違いがありますよね。


山嵜

レコードを作る時は、どうやってライブをやろうかっていうのは考えないようにして、まず「こういう曲が作りたいんだ」っていう風にしてて。それこそU-zhaanとかもメンバーにはいないけど、こういう音の曲をやりたいからって頼んだり。俺たち四人でしかできない楽器の数でやろうとか、ギター二人が曲の中でずっと弾いていないといけないとか、その縛りが俺あんまり…。一人ぐらい何もしなくてもいいし、誰も何もしなくていいんじゃないか、っていう感じもするし(笑) あんまそこは考えないで、ライブのときはその時に考えればいいかなという感じで。どっちしろ、あのままはできないっす(笑)


そういった面でも、これからのライブが楽しみです。


山嵜

そうですね。俺もどうなるか、わかんないです(笑)


 

information

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「HEAR YOU」
2015年7月22日(水)発売
¥2,700

1. Premonition(Beginning of A Desert of Human)
2. A Desert of Human
3. Commit Ballad feat.Chara
4. The World According To
5. My Little Wish
6. Song Silly feat.Olivia Burrell
7. Boyo
8. Time Goes feat.5lack
9. オトトタイミングキミト feat.Kimura Kaela
10. G.O.O.D L.U.C.K feat.U-zhaan / Kumi Maya Ayaya
11. Because I Hear You

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