Pocket

 

toe

「聴きたくない」って言われたら「聴かなくていいっすよ」って言える

7月からはUSツアーがスタート、starROさんがサポートということで。


山嵜

彼とは昔から友達で、前のツアーも一緒にやったし。彼はバイリンガルで英語の対応もできるから、色々頼んでるんですよね。長い付き合いなんで。


toe自体の活動も長いですよね。結成から15年ほど、長くバンドを続けるのは単純にすごいなと思っていて。活動のモチベーションを保つ秘訣みたいなものはあるのでしょうか。


山嵜

うーんまぁ結局、元々自分がバンド始めた時、18歳ぐらいの時に見に行っててかっこいいなと思ったバンドとか、そのシーンで一番人気があったバンドでも誰一人としてバンドで飯を食ってる人がいなかったから。バンドなんて別にご飯を食べるものだと思って始めてなくて。だから「仕事しながらやるのが普通なんじゃないの?」っていうか(笑) いわゆる音楽で食っている人達は、テレビとかに出てる芸能的なもので、俺らがライブハウスに見に行ってたものとは別のものというか。例えば、一回売れた人がいて「僕らも売れたらこんな大きなところでライブできるんだー」とか「仕事しないでも音楽だけでお金が入るんだー」とか、成功例があったわけじゃなくて。俺らがやり始めた時はなかったし、最初からお金云々じゃないっていうのが元々あるんだよね。


なるほど。


山嵜

それに自分たちがやってる音楽が、それだけの収入で家族を養える音楽とか、色んな人が好きな間口の広い音楽ではないというか。元々始めたきっかけが、“みんながあんまり聴いてない音楽”がカッコイイと思って始めてたわけじゃん。だから、おじさんおばさんが買ってくれて「良い!」と思ってもらえる音楽だと思ってないから。だからまぁ、元から俺らの音楽が商売になると思ってないし、まぁお金が入ってくる分にはいいんですけど、仕事にしちゃうと色々大変だなと思う。逆に逃げ場みたいなものがあるから、「仕事じゃないんで」っていう顔をしとけるじゃん(笑)


(笑)


山嵜

「聴きたくない」って言われたら「聴かなくていいっすよ」って言えるから。「好きな時に聴けばいいじゃん」って。そこに子供のご飯のこと考えなきゃいけないとかがあると、「今月は○○万円稼がなきゃヤバイ、だったらCD売らなきゃ」ってなってくるでしょ? そこはあんま関係ないので。好きな人が聴いてくれて広がってくれればいいなと思うんで。



そうですね。それでもやっていく中で仕事においても音楽においても、大変なことってあったりしないですか。


山嵜

仕事も結局、バンドをやりたいから時間の融通が効く今の仕事を選んでやってるところもあるので。休んだら自分がお金入んないだけだし、会社からクビになるとかないし。遅れてたら寝ないで期限までにやっとけばいいし、とか。バンドやりたいからそういう仕事を選んでる部分もあるんですけど。


生活とバンドの結びつきが強いと思うのですが、それが音に反映されたりすることってありますか。


山嵜

楽曲にそれが反映されるというのはあんまりないと思いますね。ツアーがあってライブをやってるときと、ツアーがなくて仕事をしてるときと、そういう循環みたいなものがあると思うんですけど、それが自分にとってはあったほうが精神的に良くて。やっぱり人間って“ハレとケの日”っていうか、上がり下がりがあると思うんですけど、ライブって上がってるときの感じがして。それでバンドだけずっとやってるとバコーン!って上がりっぱなしの毎日じゃん。それだと俺の場合、頭おかしくなる気がするんだよね(笑)


(笑)


山嵜

ライブの日があって、普通に仕事する日があって。そういうのがあって、また週末ライブで、とかそういう感じが好きで。普通の人として、それでバランスが取れてるんじゃないかなっていう気がするんだけど。…あとなんだっけ、長く続けるコツか。


そこも、もう少し聞いてみたいです。


山嵜

若いときからやってるから、バンドを辞めたくないのよ。たぶんバンドを辞めて他人のバンド見に行ったら、バンドをやりたくなってすごいイライラすると思う(笑) そこを天秤にかけるっていうか。そこで切れて「もう辞める」とか言ったら絶対後悔するっていうのがある。バンドを続けてたら絶対楽しいし、今このメンバーでやれてるのが一番良いと思うし。その時々の感情よりそこを重視するっていうのがまぁ、歳を取ってきたからかもしれないけどあって。四人それぞれあるから事情を尊重しつつやったほうがいいと思うし。


僕らの世代(20代〜30代)でもバンドは多いんですが、1〜2年するとパッといなくなってしまったりとかがあって。


山嵜

「よく昔ライブ来てた子とか今何してんだろう?」みたいなのあるもんね。まぁ辞めちゃう人は元々辞めちゃう人なんだと思う。やりたい人はずーっとやってるからさ(笑) 好きだからやってるんですよ。無理矢理やらされてるわけじゃないからね。



P.S.magazine一同、大変リスペクトしているtoeの山嵜氏に取材させていただくことができ、とてもありがたい経験になりました。バンド活動が一番にやりたいことであるからこそ、生活との関係性を考えられている。そして、バンドが続いてきたからこそ実現したアルバム「HEAR YOU」。新たなアプローチがふんだんに盛り込まれた今作も聴き逃すべからず、です!

→ toe「HEAR YOU」

 

information

toe

「HEAR YOU」
2015年7月22日(水)発売
¥2,700

1. Premonition(Beginning of A Desert of Human)
2. A Desert of Human
3. Commit Ballad feat.Chara
4. The World According To
5. My Little Wish
6. Song Silly feat.Olivia Burrell
7. Boyo
8. Time Goes feat.5lack
9. オトトタイミングキミト feat.Kimura Kaela
10. G.O.O.D L.U.C.K feat.U-zhaan / Kumi Maya Ayaya
11. Because I Hear You

recommend

スプリット発売記念!

malegoat×akutagawa

malegoatとakutagawaの2バンドによるスプリット7インチがリリース!両バンドから岸野一氏、佐藤秀樹氏をお招きしてインタビュー。各々のバンド事情などまで聞いた、必読の内容です。

Pocket