車はレンタカーを使いますね。ただ、ハイエースを運転できるような人がいないので、普通車を2台で。慣れない車で事故になるのはリスクが大きなと思って…。宿の確保にはAirbnbを使っています。広めの部屋を各日で予約して。下手にビジネスホテルを借りるよりも安くて、しかも快適だったりするんですよ。きちんと清潔でベッドもあるし。日本人が借りるのはけっこう簡単ですが、外国の人が借りるときはパスポートを提示したり住所を教えたりという手間が発生するときはあるみたいですね。

ビザはけっこう大きな課題ですね。アメリカは特に入国審査が厳しくなっているみたいで、Gulferはカナダのバンドなのですが、過去にアメリカへ入国できなかったらしいです。だからGulferも今回のVasudevaもそうなのですが、ビザはきちんと申請していますね。アーティストビザが無いと楽器を持って入国できない可能性も出てしまうので。

数十万単位でお金は必要になりますね。なので、それもツアーの予算を組むときに入れ込んで考えました。入国についてはシビアなところなので、しっかりやらないといけないっていうのはあります。他のイベンターさんとかは、色々と工夫してやっているケースもあるみたいですが…（笑）
バンドとの来日条件を詰めるときにも、もちろんビザについて確認しますし、そうした金銭面での交渉も重要かなと思います。Vasudevaとの場合は、宿と食費と国内交通費はこっちで負担してビザも取る、その代わり航空券は自分たちで払ってねっていう条件で決めました。あとはツアーが終わった後に日本に残るなら自分たちで負担してねって。
念の為に誓約書も用意してサインしてもらいます。それはお互いのためにも必要かなと思っています。そこまでできたら、自分たちで会場の確保に動くっていう感じの流れでしたね。

僕らは幸いにも今までトラブルにはなっていないですね。そのために実際に試算表を作るようにしています。企画段階でツアー全体の見通しが見えてきたら、持ち出しのお金がなくイベントを終わらせるにはどうしたらいいかっていう試算に入っていく。さっき話した車代や宿代などの費用も含めて、最終的にどのくらい集客が見込めればいいのかって。

イベントって直前にならないと見込みが分からなくて… 精神衛生的には良くないですよね（笑）　Gulferの時は、開催一週間前まで予約が全公演合わせて数十人だったし。でも蓋を開けてみたら無事赤字にはならずに済みました（笑）

最初は苦労の度合いもわからなくて、「呼びたい！やりたい！」って気持ちが強かったので。でも準備やお金がかかるって知って、「もうやらないぞ」って思ったんですけど（笑）　でも彼らが来ると感動的なことが多いし「一生忘れないんだろうな」っていう時間があるから。やってよかったっていうのは次に繋がってるかなと思います。
最初の目標が「海外バンドと共演する」ってことでやってたんですけど、それ以上のものが得られるというか。バンド以外でも個人的な交流ができますね。人としての繋がりというか。

僕は音楽関係の仕事についているわけではないので大したことは言えませんが、そういう人間でも自分で考えて行動さえできれば実現できることだと思っています。
ここ数年は海外から日本に来てくれるバンドが多くてとても良い流れだなとは思うのですが、この流れっていま招聘している人たちがいなくなったら、単純になくなっちゃうんじゃないか？っていうのは思っていて。実際にできるかって難しいことだとは思いますけど、「共演したい」って思うならみんな自分でやっちゃえばいいんじゃない？って（笑）
そう思う人がもしいて、僕にできることあれば手伝いたいなって思っていますし。みんな前向きに考えられるなら、どんどん行動していった方が良いんじゃないかなと。

今（2019年3月下旬の取材時点）は告知宣伝の準備をしています。ビデオメッセージ作ってもらったり、お客さんに会場へ来てもらうための工夫をしていて。とにかくやれることは全部やろうって。あと、僕らloqtoとVasudevaのスプリット盤も会場限定でリリースします。それも足を運んでもらうきっかけになればいいなって。
チケットについては、各公演分LivePocketっていうプレイガイドで受け付けています。スマホからチケットが取れてQRコードを使って入場できるんです。チケットは複数枚買って一緒に行く人とシェアできたり、ユニークなんですよね。そういう新しい試みも含めて皆さんに楽しんでもらえたらと思っています。