街が出す音、横浜からの回答
■cinq

INTERVIEW

「俺はもう一生cinqやります。ってことなんだよ。」

色々と環境が変わっていくなかで、今も横浜で、バンドを続けていてる理由ってなんでしょう?

阿部

意地だね。意地(笑)やめたいとは思わない。なかなか集まれなくてさ、すげーイライラするんだよ。また今週も「あ”ーっ!」ってすげーなってる。バンドやってたらわかるでしょ? だけどまぁ、やめるのは簡単だしね。

金子

やめたらなんもないっすからね。

阿部

そうそう、やめたらなんもないんだよ。まぁだから逆にやめる理由がない。忙しいけど。やめる理由を探すのは簡単なんだけど、それこそ忙しくてもそこはやると。意地で。

バンドとして目指すものは今ありますか?「こういう風に活動したい」とか。「将来こうなったらいいな」とか。

金子

憧れのバンドと対バンとかたくさんできたりしたらいいっすね。

阿部

そうだね。それこそ今思っているのは“横浜でやりたい”っていう。「横浜にcinqがいるから、横浜に来たい」とかいうバンドが出てきたりしてくれたら嬉しいね。同じ横浜でやってるバンドとかも、言い方はあれだけど「シーン」みたいな。まぁそれで何をするかとか、具体的なのはさっきも話したけど、企画をどんどん横浜でやってくっていうのぐらいしか今はわかんないけど。それぐらいかなぁ。別に変な目標はないよ。楽しければいいよ。っていうね。

なるほど。バンドをやるからには何かしら理由があると思うんです。続けていく意味が。正直、お金はかかるし、時間も削られるし、うまくいかないこともあるし。それでもやりたいなと思う理由。それをみんなに聞きたくて。

阿部

それが一番難しいよね。だから、“やめる理由”は簡単なんだけど、“やる理由”ってさ、なかなかわかんないよね。まぁ別に俺らなんて勝手にやってるだけだからね。

一同

(笑)

石倉

それが一番かもね。勝手にやってるっていう。

富永

ガッツリした目標とかあるとたぶん続いてないよ。

阿部

だからあえて言えば、目標は“ずっと勝手にやっていくこと”だね。

石倉

たとえば、CDデビューしたら終わりってわけじゃないじゃん。毎回毎回さ、スタート地点な感じするんだよね。ゴールなんて無いじゃん。

阿部

「水曜どうでしょう」じゃないけど、「俺はもう一生cinqやります。」ってことなんだよ。

石倉

そうだね(笑)

阿部

だから「水曜どうでしょう」もさ、一回レギュラーの放送をやめて大泉さんが「一生どうでしょうやります。」って言って、自分のできるスパンでさ、数年にいっぺんの放送になったわけじゃないですか。cinqもそうだよ。毎週やってたら、俺はこんなやつらともうやりたくないって思うよ(笑)

一同

(爆笑)

石倉

なんか、いい距離の取り方じゃないけど。そういうのも大事だなって。

阿部

今はなかなかうまくできないかもしれない。でもできないからやめるんじゃなくて、じゃあできるときにボーンとやるっていうのを、どんどんできるだけ長くっていう。最終的なものっていうのはわかんないけど、まぁこうやって続けていってっていうのがとりあえずの目標かな。
予定とかは合わないけど、それでもみんなやっぱやめない。“やめないこと”、かな。「やるべきことをやるんだよ、だからうまくいくんだよ。」ってボブディランが言ってたよ。

石倉

ロックスター名言集だよね。

阿部

ボブディランが言ってたからさ、書いといて(笑)

わかりました(笑)今日はcinqのことを深く知ることができて良かったです。

阿部

ほんとcinqは人には恵まれていると思う。このインタビューも然り。俺らより周りのみんなのほうが「cinqもっとやれ」って言ってくれるんだよね。そういう人たちが多くて支えられてる。うまくやれないときもあったりで、申し訳ない気持ちでいっぱいなるけど。

藤岡

そうだよね、ライブハウスもずっと誘ってくれてるもんね。

阿部

うん。友達も「なんかやろう」って言ってくれたりして、そういうcinq以外の人たちが色々作っていってくれてる。それは俺らの強みだと思う。まぁ他力本願じゃなくて俺らも頑張んなきゃなって思うよね。

cinqのみんなを見ていると、なぜかそうしたくなる気持ちがわかります。

阿部

それが一番うれしいよね。バンドやってて。全部つながってくる。楽しみたいっていう、みんなを巻き込んで。それが一番楽しいなぁバンドやってて、cinqやってて。

石倉

同じような人が集まって、楽しくやれて。

阿部

そういうのが広がっていけばいいなって。まずは横浜から、自分の住んでいるところから、っていうね。さっきとつながることで。

たくさんのあたたかい仲間たちに囲まれて成長してきたメンバー。自分たちが生きる街を愛し、そこに根付いて日々を過ごしていく。音楽やバンドというものが生活レベルまで昇華されているように感じて、取材を通して新しい感覚を得ることができました。

ぜひ彼らのライブやイベントに足を運んで、音楽だけでなく彼らの人柄にも触れてほしいなと思います。きっとあたたかく迎え入れてくれるはずです。

 

 

 

 

INFORMATION

cinq

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Half-open door

1.the appointment
2.door
3.I have no idea…

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