キャッチーさを失わない、新鋭インストスリーピースバンドを紐解く ■loqto

INTERVIEW

若手スリーピースインストバンドとして注目を浴びるloqto(ロクト)。2018年4月にはカナダのエモバンドgulferの来日ツアーに帯同し、成功を収めた彼ら。gulferのアルバム発売と同時にloqtoも新作アルバム「géo-」をリリースした。そんな彼らに、アルバム制作や海外アーティストとの共演などについてたっぷりと取材しました。

loqto

loqto

ロクト

yoichi matsuoka : guitar
hironori kujiraoka : bass
kazuya sakamoto : drums

2012年6月 結成。マスロックやエモ、ポストハードコアなどから影響を感じさせる、東京のスリーピースインストバンド。

曲のイメージとしたらこれだなとか、そういう連想ゲームみたいな。

今日は本誌初のインタビュー、よろしくお願いします。バンド結成の経緯から聞いてもいいでしょうか?

松岡

結成は2012年6月ですね。当時高校の同級生だった前任のドラマーとインストがやりたくて、僕がギターで。ベースを探していました。で、鯨岡さんとネットを通じて出会ったんですね。

鯨岡

出会いたての時、MIRRORとかumiとか3cm tour、LOW-PASSの音源とかを渡されて。それまでずっといわゆる残響レコードのバンドとかnuitoとかをコピーしたりしていて。インストバンドがやりたいなという気持ちがありました。

松岡

最初は「気が合いそうだったらスタジオ入りませんか?」ってメッセージを送って。

鯨岡

それでスタジオに入ろうってなって、どうせだったら作曲したやつが1曲あったので、やりませんかって。初回にスタジオ入ったらちゃんとできたんですよね笑 それがわりと良かったので。

今のメンバーになったのはいつ頃ですか?

松岡

1年ぐらい前ですね。前任のドラマーが抜けて、坂本が加入しました。

坂本

そうですね。それで、今の3人になりました。

作曲は主に誰が?

鯨岡

基本的には僕が自分でドラムまで打ち込んだりしてデモを作りますね。それをバンドで再構築していく感じです。

松岡

曲の構成からある程度の流れまでは彼(鯨岡)が作っています。今まで色々試したんですが、その方法に落ち着いていますね。

loqto-01

今回アルバム「géo-」が、Friend of Mine Recordsからのリリースです。レーベルからのリリースのきっかけは?

松岡

レーベルオーナーの佐藤さんはかねてからの知り合いで。カナダのgulferを日本に呼ぶというお話があって、彼らは新譜も出すし、それに合わせて僕らも最初は自主で作品を出したいと思っていて。それがリリースの一年前ぐらい。で、色々と相談を重ねるうちにgulferと同時リリースという形でloqtoの音源もリリースしてもらえることになったんです。

gulferの来日がきっかけになったんですね。アルバム制作にあたってテーマなどはあったのでしょうか。

鯨岡

正直、曲を作った時期はバラバラですね。初のフルサイズのアルバムで、ほんとにそれぞれの曲で色々な挑戦をして。気づいたらこの並びになっていたというか。

松岡

”ワールド感”とか言っちゃダメなの?(笑)

(笑)

松岡

面白いと思う曲を純粋に並べていきました。曲名もメンバーと話し合いながら決めていって。

曲名が記号だったり数式のようだったりして、すごく特徴的ですよね。

鯨岡

元々はほとんど曲名が決まってなくて、曲のテンポで呼んだりしてたんですよ。「107.5」とか(笑)

松岡

曲名はあとから決めました。すぐに由来が分かっちゃうようなものより、記号だったりアルファベットだったりでイメージに近いものを考えました。

鯨岡

みんなでブレインストーミングするというか。前のEPで「皕」(ひょく)って曲があるんですけど、曲のテンポが200だったので百が2つ、調べていったら「こんな漢字があるんだ」ってなって。曲のイメージとしたらこれだなとか、そういう連想ゲームみたいな。

松岡

他にも180って名前だった曲があるんですけど、グルコースの化学式量が180だったりして、それを曲名にしたり(笑)

いわゆるマスロックというカテゴリーに入る音楽だと思うのですが、曲作りで意識していることはどんなことですか。

松岡

loqtoは複雑な曲構成やテンポチェンジの中でも、どこかでキャッチーな展開やメロディがあって。それって結構こういう音楽では難しいことなんじゃないかって。それが僕らにしか無いと言って良いと思っています。

鯨岡

アルバムに「from18」って曲があるんですが、これは僕が18歳の時に作っていた曲で。ただ、その時から感じてるのは当時マスロックって言葉がほとんどなくて。最近マスって言葉を聞くようになって。でも拍子とか位相の話を聞いてもいまいちピンと来なくて、何がマスロックとか定義もないし。言葉があとからついてきた感じがあって。単純に僕が曲作ってるときに飽き性なだけで(笑) というよりもどっちかというと、一曲の間で展開がどうなるんだろうとかっていうのが何回も訪れるのが楽しい。そういう体験を音楽でしてもらいたくて。その中でもキャッチーなメロディは絶対にあるように意識していますね。

INFORMATION

loqto

loqto

géo-

全10曲収録
紙ジャケット仕様
国内盤 FOMR-0063
¥1,800 + 

  1. “Gestalt
  2. zerfall”
  3. TAP
  4. wangganyrulu
  5. 拍/2
  6. OxFord
  7. araignée
  8. from18
  9. lo7.J-

▼購入はこちら
https://psrecords.thebase.in/items/12551564